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山口 高志*; 堅田 元喜; 野口 泉*; 渡邊 陽子*; 古谷 浩志*; 植松 光夫*
no journal, ,
北海道摩周湖の外輪山周縁でダケカンバの衰退が観察されており、大気から衰退林への窒素沈着が懸念されている。本研究では、摩周湖における霧の粒径分布と霧中窒素濃度を測定し、簡易霧沈着式を用いて窒素沈着量を推定した。2009年から2013年の開葉期に摩周湖外輪山で霧の化学分析や粒径分布の測定を実施し、これらと連続的かつ高時間分解能でモニタリングされている視程データと植生への霧水沈着速度の推定式を組み合わせて、ダケカンバ林への霧による窒素沈着量を算出した。霧の粒径分布は二山型の分布を示し、夏に比べ秋には粗大な霧粒が減少傾向にあった。開葉期の積算霧水沈着量は107-140mmと推定され、同期間の降水量の20%程度であった。また、窒素沈着量は26-30mmol mであり、その大部分がアンモニア態であることがわかった。降水量と比較した結果、夏から秋にかけての霧による窒素供給量は無視できない可能性が明らかになった。